クルマで走行中に消防車や救急車の音が聞こえるとドキッとします。
後ろからくるのか?前か?
特にビルの立ち並ぶ交差点などでは音の反響のせいでどこから来るのか音で判別しにくく、 こちらが青信号でもむやみに動けなくなってしまいまったり。
なんとか過ぎ去るのを確認して一安心して走行再開なんてことがたびたびあります。
そんな緊急車両について自分の疑問を調べてみたことをまとめてみました。
詳細を記載しようとすると道路交通法施行令を並べたり、小難しい言葉がならぶことになってしまうので、かいつまんでいきます。
緊急車両って ?
緊急車両といってもいろいろあります。
届出により公安委員会の指定を受けたものが緊急車両となります。
すぐに思いつくものは
消防車
救急車
パトカー
…だとおもいます。
他にも自衛隊や皇居警察、各ネクスコの道路パトロールカー、水道事業者などが該当してくるようです。
民間の会社ですと、電力会社、ガス会社、鉄道会社、JAF、電気通信事業者、製薬会社、NHK、病院のドクターカー、赤十字血液センターの輸血搬送車などがあるようです。NHKは「え?」って思いますが、大規模災害等緊急的な報道が絡めば、公共放送としては認められるのかもしれませんね。
JAFは一般社団法人ですが道路を塞いでしまうような事故があれば緊急車両としていち早く駆け付けなくてはならないこともありますし、特別支援隊として災害救援も行っているようです。
(代表理事に警察庁や国土交通省がいるのも強みでしょうね)
なお、治安に関する車両でも、海上保安庁や警備会社の車両は緊急車両に指定はされていないんですね。
海上事故対応のために車両で移動することもあると思うんですけどね。
緊急走行時はランプとサイレンが必要!
緊急の用務として緊急車両を走らせる場合は赤色の回転灯と法令規定のサイレンを鳴らさなければならないとされています。
・回転灯
300mの距離でも確認できる赤
・サイレン
20m離れて90~120dbであること
逆にいえば、警光灯を点灯させていなければ一般車両扱いということですね。
なお、スピード違反取締の場合は回転灯だけでよく、サイレンは不要になります。
スピード違反車両と同じ速度で走って走行速度測定が必要になります。
その際にパトカーなり白バイも一般車両のままではスピード違反になります。ですので回転灯をつけて緊急車両扱いになってから計測する必要があるわけですね。
(覆面パトであったり都道府県によっては必ずしもそうではないこともあるようです。みなさん日頃から法定速度を守って安全運転を心がけましょう)
また、緊急車両は「運転中」が対象となるため、駐停車していれば一般車両と同じになります。時々パトカーが反則金を受けるなどのニュースがありますが一般車両の時に違反をしてしまったためなんですね。 火事や事件現場でパトカーが回転灯をつけたまま停車しているのを見ますが、そういった場合は周辺への注意喚起や後から駆け付ける救援へ場所をわかりやすくするなどの理由かと思われます。
緊急車両がきたらどうするの?
緊急車両がきましたら、優先して進行させなければなりません。
そのため一般車両は進行を妨げないように、道路の左側へ寄せて停車し、緊急車両へ道を譲らなくてはなりません。(一方通行の場合右側へ寄せてもよいです)
交差点の多い片側2車線などは、本来であれば左の車線へ合流し、緊急車両に追越車線を走らせるようにゆずらなくてはなりません。
実際はそうすることができず右側へ寄せて譲らざるを得ない場合もあるので、その場の状況で判断する必要があります。
また、”道が狭くて譲りたいけど譲れない”などの状況であれば無理に譲らず緊急車両の前を走行せざるを得ないこともあります。
緊急車両からマイクで指示されることもあるので窓を開けて確認できるようにしましょう。
交差点ではどうするのか?というと、
交差点に入ってしまった場合は交差点を避けて(通り過ぎるか手前で)道を譲る必要があります。
気をつけなければならないのは自分から見て交差点の左右からくる場合です。
法令上では”緊急車両が接近した場合、一般車両は交差点を避けて道路の左側に寄って一時停止しなければならない”となっております。
「音楽を大きな音で流していて聞こえなかった」は通用しません。緊急車両が接近したら一時停止義務があるのです。
車両保険なども、青信号で交差点に進入しても、赤信号側からきた緊急車両と接触事故を起こしても”一時停止義務違反”と同様の過失割合になることがあるようです(保険会社や状況等によって異なります。)
また、緊急車両に道を譲ろうとして他の車と接触しないようにも気を付けましょうね。
譲らなかったらどうなるの?
先ほどの「譲りたいけど譲れない」ではなく、「譲れるのに譲らない」という悪質な場合ですね。
道路交通法により「緊急車両妨害等違反」、または「本線車道緊急車妨害違反」に該当し、違反点1点、反則金として6000円になります。
そのほかにも、もしも妨害により救急搬送中の患者が亡くなってしまうなど、妨害の影響が立証された場合は民事で訴えられたり刑事罰を受ける可能性もあるようです。
緊急車両は交通ルールの特例がある!
緊急車両は最高速度が一般道80km、高速道100kmと一般車両とは別の定めがあります。緊急なので当然ですね。
もちろん赤信号や一時停止は停止不要(ただし徐行による安全確認義務あり)です。
他にもシートベルトの着用義務であったり、横断歩道での歩行者優先などが除外されます。
終わりに
緊急車両といってもたくさんの種類や決りがありますね。
もしかしたら自分や親戚知人を助けてもらうことになるかもしれない緊急車両。
見かけたときは助けてもらう人のことを考えて早く現地へ到着してもらうように心掛けなければなりませんね。